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五輪表彰台に続いていた『道』 [スポーツ]

カナダ・バンクーバーで行われている冬季オリンピック。
開会式から1週間が過ぎ、次々と勝敗が決するなか、フィギュアスケート男子シングルも熾烈な戦いに幕を下ろした。

表彰台のいちばん高いところに上ったのはアメリカのエヴァン・ライサチェック、2位はロシアのエフゲニー・プルシェンコ、そして3位は日本の高橋大輔。
日本男子シングルのこれまでの最高位は、2002年のソルトレイクシティ大会での本田武史の4位。
高橋大輔は、日本人男子がオリンピックの表彰台に上るという新しい「道」をつくってくれた。


今回のオリンピック・フィギュアスケートのなかでいちばんの激戦だった男子シングル。
SPから緊迫した演技が続き、見ているだけで胃が重くなるほど(苦笑)。
4年に一度の舞台で、本来の実力を出すことの難しさをまざまざと見せつけられました。

ブライアン・ジュベール(FRA) 68.00/18位 132.22/16位 200.22/16位
まさかまさかの16位。こだわってきたクワドでSP・FSとも転倒。
昨年11月にケガのため手術をしたことが響いたのか…。
ノリノリの”Rise”が見たかった。残念。

ジェレミー・アボット(USA) 69.40/15位 149.56/9位 218.96/9位
こちらも、まさかまさかの15位スタート。
FSで巻き返し一桁順位は死守したけれど…。
彼のコーチを務めるのはオリンピックで2度の入賞経験のある佐藤有香ということもあって注目していた選手。
今季はジャンプの出来不出来が大きかったので、そのあたりが今後の課題かも。

小塚崇彦(JPN) 79.59/8位 151.60/8位 231.19/8位
これまで一度も決められなかったクワドトウループ(4T)を、この大舞台で決めてしまう強心臓にびっくり。
演技構成点が5要素とも7点台前半から中盤なので、ここを底上げできれば表彰台は十分狙えるはず。
今後に期待。

織田信成(JPN) 84.85/4位 153.69/7位 238.54/7位
いつになく青い顔をしてリンクに登場。動きはやや硬め。
さらに競技中にシューズの紐が切れてしまうアクシデントも。
それでも、最後まできっちり滑り切ったのは立派。

ジョニー・ウィアー(USA) 82.10/6位 156.77/6位  238.87/6位
もう少し得点が出てもいいような…。
3回転フリップがSP・FSともロングエッジ判定なのと、FSの演技構成点がすべて7点台と伸び悩み、メダルには届かず。
6位はエキシビションには出ないようなので、ジョニーの「ポーカー・フェイス」(レディ・ガガ)が見られないことに。
エキシビの楽しみがひとつ減りました。

パトリック・チャン(CAN) 81.12/7位 160.30/4位 241.42/5位
パトリックも地元開催の重圧からなのか本来の滑りではなかったよう。
それでも、19歳あのでスケーティングスキルの高さは末恐ろしい。

ステファン・ランビエール(SUI) 84.63/5位 162.09/3位 246.72/4位
左足内転筋の故障から一時は一線を退いていたものの、「痛みとつき合えるようになった」ことから2年ぶりに競技会に復帰。
今回、私がいちばん見たかった選手です。
SPはジャンプでミスがあったものの、演技構成点は43.15と全選手のトップ。
苦手のトリプルアクセル回避しているためSPで上位に立てないのは織り込み済みなので、FPでの巻き返しを期待していたのだけれど…。
硬い表情で滑る『椿姫』の魅惑度は、ヨーロッパ選手権のときよりも落ちる結果に。
世界選手権には出場しないようなので、エキシビがしばしの見納めとなるので、しっかり目に焼きつけておこうと思います。
帰ってきてくれてありがとう。

高橋大輔(JPN) 90.25/3位 156.98/5位 247.23/3位
FSの冒頭、4Tで転倒したときはどうなるかと思ったけれど、そのあとの立て直しがすばらしかった。
まるで4Tは飛ばなかったような、もしくは成功したような演技に終始。
FSの演技構成点84.50と、全選手最高点と圧巻の出来栄えでした。

エフゲニー・プルシェンコ(RUS) 90.85/1位 165.51/2位 256.36/2位
3シーズンぶりに帰ってきたトリノ王者のプルシェンコ。
一時、ものすごく太っていたこともあったのに、4T+3Tを難なく決め、ヨーロッパ選手権も優勝。
ところが、彼にしてはジャンプに精彩を欠いていて、GOEが伸びず。
FSの演技構成点はE・ライサチェックと同点だったので、もしプルシェンコがクリーンなジャンプを連発していれば結果はまた別のものになったかも…。

エヴァン・ライサチェック(USA) 90.30/2位 167.37/1位 257.67/1位
長い手足を生かしたダイナミックな演技で、SP・FSとも大きなミスはなし。
成功率の低い4Tはプログラムには入っていなかったけれど、持てる力を出し切った、オリンピックチャンピオンとして文句のつけようのない滑りでした。

クワドをプログラムに入れていないライサチェックが優勝したことで、一部では「クワド論争」が持ち上がっているのだとか。
確かに、スポーツである以上、最難度の技をクリーンに決めて優勝したらカッコイイとは思う。
でも一方で、勝負である以上、そのときの自分の持てる力を最大限に発揮するのもまたありなのでは。

高橋大輔は、今季一度も成功していない4Tをプログラムに組み込み転倒したため、彼がそこでもらえた得点はなんと1点。
さらに、転倒の減点があるため、トータルから1点を引かれているので、4Tはまったく飛んでいないのと同じことになります。
これが成功していれば基礎点は9.80点。
転倒の分の減点もなくなるので、10点以上がプラスされることに。
それだけクワドはハイリスク・ハイリターンなジャンプ。
それを承知でクワドに挑み、失敗したけれども、その後をクリーンに滑り切った高橋大輔は、メダルを受けるのにふさわしい選手でした。
3位おめでとうございます!


3選手とも入賞も快挙!!
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pica

「見ているだけで胃が重くなるほど」には同感です。
身内のことでもないのに具合が悪くなりそうだった(笑
ランビエールは好きなスケーターなだけに、あの「椿姫」は
ちょっと残念でした。
ジュベールのまさかの結果にも驚いたし。
これがオリンピックってやつですか…。

次は世界選手権。今度こそ、大輔には真ん中に立ってほしいv
by pica (2010-02-24 01:08) 

☆ ぴか姉 ☆

男子オリンピック初のメダルなんですね。
素晴らしかったです。
採点のこととかはよくわかりませんが、
競技としての駆け引きはおいといて、
難しいジャンプにチャレンジする姿は
観ていて清々しいです。
なんか力づけられるような素晴らしい演技でした。
女子の浅田選手等にも頑張って欲しいです。
by ☆ ぴか姉 ☆ (2010-02-25 10:39) 

mikanpanda

*picaさん*
会ったこともない人なのに、なんであんなに緊張するんでしょうねー。(^0^;)
ファンとしては、そのときの持てる力を出しているところが見たいですよね。
『椿姫』はとてもすてきなプログラムだったので、彼らしさが十分発揮されなくて本当に残念です。

高橋くんは、来年の世界選手権までは(とりあえず)現役続行のようですね。

nice!もありがとうございました。(^^)/

*ぴか姉さん*
フィギュアは、オリンピックではこれまでに女子はふたつのメダルがあるのですが、男子は今回が初めてなんですよ!
難しい技にチャレンジする姿は「攻めたな」って感じがしますよね。
引いてカウンター狙いばかりじゃつまらないですからねー(ちょっと違う? ^0^;)。

いよいよ明日は女子の勝負が決しますね。
みなが持てる力を出してくれたらいいなと思います。

nice!もありがとうございました。。(^^)/

*あぁさん*
nice!をありがとうございました。(^^)/

by mikanpanda (2010-02-25 20:23) 

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