『蜉蝣峠』（梅田芸術劇場） [演劇・ミュージカル]
『リチャード三世』に続いて古田新太俳優生活25周年と銘打たれた劇団☆新感線の２作品目。
シェイクスピアに真っ向勝負に挑んだ前作から趣向を変えた今回は、新感線らしく「いのうえ歌舞伎」。
と思ったら、その後ろに「壊＜Punk＞」の文字が…。
座付き作家の中島かずき作ではなく、宮藤官九郎（クドカン）の筆による「いのうえ歌舞伎」とはいかなるものに？
徳川の世になり200年以上の月日が流れた天保年間。
「蜉蝣（かげろう）峠」と呼ばれる寂れた街道で、闇太郎（古田新太）はいつ来るとも誰が来るともわからない人を、愚鈍を装いながらひたすら待ち続けていた。
ある日、闇太郎はお世辞にも「賢い」とは言えない元役者の銀之助（勝地涼）と出会う。
銀之助に誘われるまま峠を下りる闇太郎。
ふたりが向かったのは、ならず者が集まる宿場町・ろまん街だった。
あまりの荒れっぷりにたじろぐ闇太郎と銀之助に声をかけてきたのが、めしいの飯屋の亭主・がめ吉（梶原善）。
彼の説明によると、この町は、立派（橋本じゅん）と天晴（堤真一）を頭とするふたつの組による覇権争いが絶えないのだという。
さらに「闇太郎」と将来を誓い合っていたというお泪（高岡早紀）との出会いも果たす。
ところが、闇太郎には過去の記憶がいっさいない。
そんな闇太郎に、がめ吉は、25年前に町で起きたある事件の話を始める。
そのころ、立派の子供・サルキジ（木村了）が江戸から帰ってきて…。
こうやってあらすじを書いてみると、渋めの時代劇という感じがしなくもないけれど、そこは新感線。
ベタなギャグあり、歌あり、群舞ありと、バカバカしくも派手な演出もてんこ盛り。
そこにクドカンテイストが加わり、序盤などは小学生レベルの下ネタ連発！
堤真一は着ぐるみ姿!!
これでいいのかと不安になるぐらいの出だし。
ただ、そのままでは終わらないのも、またクドカンらしいところ。
物語の主筋となるのは、闇太郎の過去をパズルのように埋めていく作業と町の覇権をめぐる騒動。
そこに、25年前の事件の犯人は誰なのかというサスペンスの要素が絡む。
主演の古田新太は、いのうえ歌舞伎ではめずらしく、終始、受け身の役どころ。
記憶をなくすことによって過去を失った男が、己を知っているという人々に出会い、「自分」を取り戻そうともがく。
その敵役に回ったのが堤真一。
喜々として人を切っていく様は、歌舞伎用語でもある「色悪」という言葉がぴったり。
セットがほとんどない舞台で、放射線状のライトが降るなか、古田×堤が見せる殺陣が大きな見せ場に。
このほか、橋本じゅん・高田聖子・粟根誠・右近健一など新感線のおなじみのメンツが濃いキャラクターを楽しげに演じ、準劇団員的存在になりつつある梶原善が狂言回しとして要所を締め、勝地涼・木村了の若手がその濃さに負けじと食らいつく。
ギャグとアクションに彩られたエンタテインメントであり、その奥には、本来の自分を捨てていたり、本来の自分を見失っていたりする人々の心の痛みが隠されている。
結果として、周囲の人間に翻弄されることになってしまう闇太郎。
その彼が追い続けていた「陽炎」はいったいなんだったのか…。
ここでは詳しく言及しないけれど、大物に立ち向かっていく爽快感を味わえる中島版とは真逆の、無力感に支配される舞台だった。
シェイクスピアに真っ向勝負に挑んだ前作から趣向を変えた今回は、新感線らしく「いのうえ歌舞伎」。
と思ったら、その後ろに「壊＜Punk＞」の文字が…。
座付き作家の中島かずき作ではなく、宮藤官九郎（クドカン）の筆による「いのうえ歌舞伎」とはいかなるものに？
徳川の世になり200年以上の月日が流れた天保年間。
「蜉蝣（かげろう）峠」と呼ばれる寂れた街道で、闇太郎（古田新太）はいつ来るとも誰が来るともわからない人を、愚鈍を装いながらひたすら待ち続けていた。
ある日、闇太郎はお世辞にも「賢い」とは言えない元役者の銀之助（勝地涼）と出会う。
銀之助に誘われるまま峠を下りる闇太郎。
ふたりが向かったのは、ならず者が集まる宿場町・ろまん街だった。
あまりの荒れっぷりにたじろぐ闇太郎と銀之助に声をかけてきたのが、めしいの飯屋の亭主・がめ吉（梶原善）。彼の説明によると、この町は、立派（橋本じゅん）と天晴（堤真一）を頭とするふたつの組による覇権争いが絶えないのだという。
さらに「闇太郎」と将来を誓い合っていたというお泪（高岡早紀）との出会いも果たす。
ところが、闇太郎には過去の記憶がいっさいない。
そんな闇太郎に、がめ吉は、25年前に町で起きたある事件の話を始める。
そのころ、立派の子供・サルキジ（木村了）が江戸から帰ってきて…。
こうやってあらすじを書いてみると、渋めの時代劇という感じがしなくもないけれど、そこは新感線。
ベタなギャグあり、歌あり、群舞ありと、バカバカしくも派手な演出もてんこ盛り。
そこにクドカンテイストが加わり、序盤などは小学生レベルの下ネタ連発！
堤真一は着ぐるみ姿!!
これでいいのかと不安になるぐらいの出だし。
ただ、そのままでは終わらないのも、またクドカンらしいところ。
物語の主筋となるのは、闇太郎の過去をパズルのように埋めていく作業と町の覇権をめぐる騒動。
そこに、25年前の事件の犯人は誰なのかというサスペンスの要素が絡む。
主演の古田新太は、いのうえ歌舞伎ではめずらしく、終始、受け身の役どころ。
記憶をなくすことによって過去を失った男が、己を知っているという人々に出会い、「自分」を取り戻そうともがく。
その敵役に回ったのが堤真一。
喜々として人を切っていく様は、歌舞伎用語でもある「色悪」という言葉がぴったり。
セットがほとんどない舞台で、放射線状のライトが降るなか、古田×堤が見せる殺陣が大きな見せ場に。
このほか、橋本じゅん・高田聖子・粟根誠・右近健一など新感線のおなじみのメンツが濃いキャラクターを楽しげに演じ、準劇団員的存在になりつつある梶原善が狂言回しとして要所を締め、勝地涼・木村了の若手がその濃さに負けじと食らいつく。
ギャグとアクションに彩られたエンタテインメントであり、その奥には、本来の自分を捨てていたり、本来の自分を見失っていたりする人々の心の痛みが隠されている。
結果として、周囲の人間に翻弄されることになってしまう闇太郎。
その彼が追い続けていた「陽炎」はいったいなんだったのか…。
ここでは詳しく言及しないけれど、大物に立ち向かっていく爽快感を味わえる中島版とは真逆の、無力感に支配される舞台だった。
あっ、お疲れさまです（＾ー＾）／
オープニングはあんまり触れてないわね（ぷっ）
まあ、あれに触れても……（黙）
わたしは、クドカンはあんまり得意じゃないはずだったのですが見れるようになったのね……と。
やっと、ここ数年だけどね。
そういえば、映画『鈍獣』は見ます？
by 理恵 (2009-05-08 19:02)
なんか出演者が濃い！
ポスター見ただけで濃い！
観終わって無力感というのも怖いです。
by あぁ (2009-05-09 00:01)
勝地涼クンが出てるんですね♪
↑
好きらしいｖ
by pica (2009-05-10 06:35)
＊理恵さん＊
今回、前から３列目だったんですよぉ～。
オープニングの古ちんの様子がそれはよく見え…。(__;)
私は、なぜか初・大人計画がクドカン作の『春子ブックセンター』だったんです。
で、それから舞台・ドラマ・映画を含め、気がつけばけっこうな数を見ているので、かなり頭が柔軟になったかも(笑)。
映画は、男性のキャストはおもしろう。
ただ、映像にするとホラー度やグロ度が上がるとかなぁとただいま思案中。
wowowとかで放送があれば絶対に見るけれど。
脅かし系は、映画館で見られないんですよ。(^0^;)
nice!もありがとうございました。(^^)/
＊あぁさん＊
濃いメンツでしたよぉ～。
ゴールデンウィーク♪と浮かれた気分向きではなかったかも。
結末に救いがないんです。
nice!もありがとうございました。(^^)/
by mikanpanda (2009-05-13 13:13)
＊picaさん＊
勝地涼くんは、私も若手の中では注目している俳優さんです。(*^O^*)
でも、どうもクドカンは彼にかっこいい役をやらせる気がないようで、今回もさわやかなルックス・中身は…な役になっていました。
とはいえ、きれいなお顔と細マッチョな姿は堪能できたので、それだけでも幸せです。
nice!もありがとうございました。(^^)/
＊ねこかどさん＊
nice!をありがとうございました。(^^)/
by mikanpanda (2009-05-13 13:17)