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『犬顔家の一族の陰謀』(シアターBRAVA!) [演劇・ミュージカル]

今回の劇団☆新感線は、『レッツゴー! 忍法帖』以来、約3年半ぶりのネタもの芝居。
”劇団☆新感線2007年夏休みチャンピオン祭り”と銘打ち、そのフルタイトルは『犬顔家の一族の陰謀~金田真一耕之介の事件です。ノート』。
タイトルからして、劇団のやる気が感じられるものに(笑)。

犬顔家の一族の長・犬顔助佐衛門助介(橋本じゅん)がこの世を去った。
遺された太郎子(木野花)・次郎子(高田聖子)・三郎子(山本カナコ)ら娘たちそれぞれの家族の関心は、ずばり遺産。
ところが、助佐衛門助介の死後、弁護士の粟館(粟根まこと)によって公開された遺書には、財産は血縁者ではない野見山玉男(勝地涼)に譲ると記されていた。
ただし、玉男が相続するためには、犬顔家の血を引く娘を妻に選ばなければならないという条件が。
犬顔家に遺産争いが起こるのは明らか。
それを阻止してほしいと依頼され、探偵の金田真一耕助之介(宮藤官九郎)がやってきたが…。

タイトルどおり、物語のベースは横溝正史原作の映画『犬神家の一族』をパロディにしたもの。
そこにほかの横溝作品、2時間サスペンス、ミュージカル、最近ヒットした映画、あのヒット曲、はては日本の昔話などなど、これでもかのパロディ三昧。
もちろん、小ネタも満載。
横溝作品がベースでもおどろおどろしさはいっさいなく、その代わりばかばかしさは果てしなく…。
新感線のお家芸でもあるネタものを、楽しんで作っているのがよく伝わってきた。

ただ、チャンピオン祭りというわりには、橋本じゅん・古田新太・高田聖子の出番が少ないのが不満。
それと、ネタものには欠かせない池田成志も。
その少ない出番の中でも、出てくればかならず橋本じゅんワールドに引き込んでくれるじゅんさんの力業はすごかった。
古田の見せ場は劇中劇かな?
ゲストでは、勝地涼くんは名前どおり涼やかで、あの濃いメンツの中、目の保養に(笑)。
彼は、私の中ではすでに注目の若手俳優としてインプットされていたのだけれど、これでさらに赤丸急上昇。
調べてみたら年齢はもうすぐ21歳とのこと(若い!)。
さわやかなだけでなく悪役もいけそうなので、ぜひ殺陣の稽古を積んでまた新感線に出てもらいたいもの。
新感線ではお久しぶりの木野花さんはやはり存在感あり。
ときどき垣間見える天然な感じもかわいらしい。
そしてクドカンは、貧相で飄々としていて、探偵としての力量ははなはだ疑問の金田真一耕之介にぴったり。
彼の存在あっての、この企画なんだろう。

今回は東京公演よりも大阪公演が先だったので、全体的にまだこなれきっていない感じを受けた。
回を重ねた東京公演は、さらにおもしろくなるはず。
それと、パロディはネタもとがわかっていたほうが楽しめるので、これから見る方は『犬神家の一族』での予習がおすすめ。

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コメント 5

『犬神家の一族』をパロディにしたのですか?
楽しそうですね。
by (2007-08-02 19:17) 

理恵

わ〜い!行かれたんですね?
まこりん、弁護士役かぁ……胡散臭っ(ぷっ)

下半分は敢えて読まずに行きたいと思います。
まず、8月11日に行きます(^-^)/
by 理恵 (2007-08-02 20:19) 

mikanpanda

*犀川さん*
そうなんです、『犬神家の一族』のパロディがベースの、それはそれはバカバカしい舞台なんですよ(笑)。

*理恵*
大阪で回を重ねているから、東京公演のほうがさらにおもしろいと思いますよー。
よくもまぁ、あれだけパロディと小ネタを入れたもんだと笑いながら感心しちゃいました(笑)。

おふたりとたねさん、nice!もありがとうございました。(^^)/
by mikanpanda (2007-08-02 22:04) 

あぁ

ポスターだけでも笑えます。
あの湖の逆立ちシーンもあるのかしら。
プールや海で良くまねしてたの。
by あぁ (2007-08-03 03:10) 

mikanpanda

*あぁさん*
逆立ちシーンはもちろんありますよぉ~。
もちろん、ひとひねりを加えたうえで。(^^)v
by mikanpanda (2007-08-03 09:16) 

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