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『SHIROH』(梅田コマ劇場) [演劇・ミュージカル]

ここ数年、年明けのお楽しみになりつつある劇団☆新感線の公演。
2002年が『七芒星』、2003年が『レッツゴー! 忍法帳』。
おととしはともかく、こうやって書いてみると去年なんてタイトルからしておバカ路線…(苦笑)。
2年続けて「笑う門には福来る」だったのが、今年は新感線としては初のロックミュージカル。
しかも小屋は梅田コマ劇場!
1637年、江戸初期に実際にあった大規模な一揆・島原の乱を下敷きにした物語。

九州・島原藩の藩主・松倉勝家(右近健一)の重税と飢饉に苦しむ、キリシタンである農民たちは、「奇跡の子」と呼ばれていた益田四郎時貞(上川隆也)を中心に反旗を掲げようとしていた。
ところが、ある出来事がきっかけで四郎は自分の指導力に自信をなくしてた。
その四郎が、天草に住むバテレン(海外からの宣教師)との混血児・シロー(中川晃教)と出会うことから事態は動き出す。
シローは人の心を動かすことができる歌声を持っていた。ふたりのSHIROHが手を組むことで、反乱の気運は一気に高まる。
その一方で、SHIROHたちを幕府の治世に利用しようと老中・松平伊豆守信綱(江守徹)が暗躍を始めていた。

新感線の舞台にはわりと歌や踊りがつきものなんだけど、今回は本当に「ミュージカル」だった。
しかも上川隆也や江守徹まで歌うとは!
上川隆也はミュージカル出演は初めてのこと。
でも、地声が響くいい声だから、歌ってもさまになる。
歌そのものはミュージカルが中心の役者さんに比べれば危なっかしいところもあったけれど、それでも十分に伝わるものだった。
殺陣もカッコいいし。
シロー役の中川くんは、それはそれは高い声が出る。
「天の声」にふさわしい歌声だったと思う。
それでも上川隆也に惹かれてしまったのは、上川さんの年の功かな?

江守徹は迫力のある役者さんで、悪巧みをする老中にぴったり。
でも、歌はちょっとつらそうだった(苦笑)。
その反対に、ときどきドラマなどで見かける秋山菜津子さんは歌もよかった~。
役どころは松平伊豆守信綱が放つくの一。
密偵としてシローたちに近づきながら、シローに惹かれていく。
(高田)聖子さんとの姉妹という設定も合っていたし、かっこよくて悲しい女を演じ会場の涙を誘っていた。

このほか、『レ・ミゼラブル』などミュージカルを中心に活躍している吉野圭吾が、意外に新感線テイストになじんでいて笑ってしまった。
右近さんとのコンビも絶妙。
ぜひおバカ路線のときにも出演を!(笑)
それから、3年ぶりに見た高橋由美子。
前よりも格段に声が出るようになっていた。
ミュージカル出演も増えているようだし、トレーニングしているんだろうなぁ。

思いついたことをつらつら並べてみたけれど、振り返ってみると、新感線の面々が埋もれぎみだったのがちょっと不満。
ここのところ、劇団員以外の人がたくさん出演しているというのは見慣れているはずなのになぁ。
そういう意味では、開演の合図はジューダス・プリーストと発車ベルといつもどおりだったけど、「新感線」ではなかったのかも。
その分、上川隆也を堪能できたのでよしとしておこう(笑)。


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