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東日本大震災チャリティ演技会 [スポーツ]

3月11日に起きた三陸沖地震から1か月が過ぎました。
相変わらず続く大きな余震、収拾の気配すら感じられない福島第一原発の事故…。
被災地はもちろん、日本全体が心穏やかに暮らせるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。

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そんななか、被災地のために少しでも何かできないか?ということから企画された『東日本大震災チャリティ演技会~復興の街、神戸から~』に行ってきました。
バンクーバーオリンピック銅メダリストの高橋大輔を中心に、振り付け師の宮本賢二、東北出身のプロスケーター&指導者の田村岳斗・本田武史などが企画した演技会です。
「演技会」の名があるとおりショーではないので、照明などのきらびやかな演出はなく、演技者は競技会のように明るいリンクの上で滑ります。
さらに、応援バナーや出演者へのプレゼントも遠慮したいという事前告知もありました。

会場となった神戸のポートアイランドスケートセンターに入ると、まずロビーが人であふれかえる様子が目に飛び込んできます。
ロビーに、オークション用の品が展示されているからでした。
人混みをかき分ける気力がわかなかったのでよく確認しなかったけれど、出演者のサイン入りジャージや写真集などがあったようです。
入場時にもらった用紙に希望の品と金額を書いて入札する仕組みになっていました。
私はチラ見しただけで入札せず。

そうこうしているうちに演技会がスタート。
まずは出演者全員がリンクに並び、観客とともに東日本大震災の犠牲になられた方への黙祷を捧げます。
続いて出演者を代表して高橋大輔が挨拶。
この挨拶が、ある意味ぐだぐだ、ある意味微笑ましいもので…(苦笑)。
手作り感満載の演技会です。

演技者のトップを飾るのは、私が生で見たかったスケーターのひとり・太田由希奈。
赤を基調としたドレスで『オペラ座の怪人』を滑ります。
流麗な滑りにうっとり。
ジャンプなんてダブルで十分だからもっと滑っていて!
いつまでも見ていたいスケーターでした。

次にジュニアの安原綾菜を挟んで、青森県八戸市出身で東北高校出身の田村岳斗。
ジャズナンバー『シング・シング・シング』で会場を盛り上げます。
トリプルルッツなど、現役並みのジャンプは現在。
(でも、最後はお疲れモードに)

その後はノービスの新田谷凛、ジュニアの國分紫苑と続き、1部の最後は福島県郡山市出身で東北高校出身の本田武史。
こちらも現役ばりの高さのあるトリプルジャンプを見せてくれました。
さすが高橋大輔のジャンプコーチ!

製氷のあとの2部のトップバッターは、地元・兵庫県出身の村元小月。
その次は、今シーズンの世界ジュニアで2位に輝いた田中刑事。
曲は『仁義なき戦い』。
イントロから妙な盛り上がりを見せる会場(笑)。

その後は兵庫県出身の上野沙那が続き、仙台市出身で東北高校在学中の羽生結弦が登場。
彼は、リンクで練習中に地震に遭い、スケート靴のまま避難。
避難所にも、数日、身を置いていたそう。
元気な姿に安心しました。
彼が選んだのは、今シーズンのSP『白鳥の湖』(バージョン違い?)。
傷ついた白鳥が再び大空へと羽ばたく…。
地元の復興を願う気持ちが投影されているかのような滑りに、客席もスタンディングで拍手を送ります。
滑り終わったあとに「これまでに経験したことのない恐怖を味わいました」と地震の恐ろしさを語るとともに、被災地の支援を訴えました。
そして、アンコールには昨シーズンのFP『パガニーニの主題による狂詩曲』の一部を披露。
練習できない時期もあったはずなのに、プラス評価間違いなしのトリプルアクセルはおみごと。
神戸に来てくれてありがとう。
心からそう思います。

続いての登場は、宮城県育ちで東北高校出身の荒川静香。
『アヴェ・マリア』の調べに乗せてクオリティの高い滑りを見せてくれます。
現役時よりも表現力も技術力も進化しているようで、びっくり。
ジャンプを跳ぶときも着地のときもほぼ無音。
彼女も滑り後に、避難所に行ったときのことなどを話してくれました。
アンコールは、もはやレジェンドなったトリノオリンピックのときのFP『トゥーランドット』(一部)。
もちろんレイバック・イナバウアーもあり。
金メダリストになったときよりもレイバックの反り具合がアップ!
徹底してプロでした、荒川静香。

トリを飾るのは高橋大輔。
しっとりとしたプログラムかな?と思ったら、衣装が派手な赤黒シャツ。
そうですか、今シーズンSP『マンボ』ですか。
盛り上がっちゃっていいんですね(笑)。
ステップはやや抑えめのような気もしたけれど、ジャンプは安定していたので、ロシアで開催される世界選手権に向けての仕上げは上々のよう。
当然アンコールもあり、こちらはFSの『ブエノスアイレスの冬』の一部を。
ステップはこちらのほうが見応えがありました。

会の最後は、全員でAIの『Story』を「私がキミを守るから」「がんばろう」「大丈夫」などの手話を交えての群舞。
被災地支援のための集まりではあったけれど、若い選手も含めてそれぞれの滑りに魅了され、こちらがエネルギーをもらえるすばらしい会でした。

終演後はロビーに出演者がそれぞれ募金箱をもち義援金を募ります。
開場時のオークションの時点でロビーは大混雑だったのでどうなることかと思ったら、案の定、募金箱にたどり着くまでに1時間ほどかかりました。
(それでも客席には待っている人がまだたくさんいたので、全体で3時間ほどはかかったのでは?)
出演者の方たちと直接言葉を交わすことができたので、待ったかいはあったんですけどね。
ずっと立ちっぱなしの出演者の皆さんはさぞ疲れたことでしょう。

観客は立ち見を含めて2700人。
集まった義援金は、募金とオークションを合わせて1200万円超。
これに収益を合わせたものが日本赤十字社に寄付されます。
被害の規模を考えると決して大きな額ではないかもしれないけれど、参加したすべての方たちの気持ちが少しでも”希望”への後押しにつながればと思います。
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募金の順番が回ってくるのを待つ間、暇だったので誰もいないリンクを撮ってみたの図。


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あぁ

お外でこの記事を読ませてもらいました。
尊い思いに泣きました。ありがとう。
by あぁ (2011-04-17 15:13) 

mikanpanda

*あぁさん*
外出先で読んでいただくには、ちょっと長い文章でしたね。(^0^;)
とてもいい会でしたよ。
心が洗われるような感じを受けました。
とくに高橋大輔は、2連覇のかかった世界選手権目前でこの会を準備したわけですから。
しかも、彼自身は被災地とはとくにゆかりもない。
それなのに、終演後の募金活動でも、募金した人ひとりひとりの目を見て「ありがとうございます」って丁寧に言っていました。
目が合った瞬間「やられた」と思いましたよ(笑)。
優しい人なんでしょうね。

nice!もありがとうございました。(^^)/

by mikanpanda (2011-04-20 19:11) 

mikanpanda

*レッドパラダイスさん*
nice!をありがとうございました。(^^)/

by mikanpanda (2011-04-20 19:11) 

mikanpanda

*picaさん*
*hinaさん*

nice!をありがとうございました。(^^)/

by mikanpanda (2011-04-30 17:40) 

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