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『鋼鉄番長』(シアターBRAVA!) [演劇・ミュージカル]

劇団☆新感線の30周年興行《秋》として東京公演からスタートした『鋼鉄番長』。
途中、客演の池田成志がアキレス腱断裂で降板。
さらに、腰部脊柱管狭窄症で主演の橋本じゅんが、まさかまさかの降板と、大きなピンチを乗り越えてこぎ着けた大阪公演。
飛車角落ちに近い状態でいったいどう臨むのか…。

goutetsu2.jpg”学校”の名を借りた悪の巣窟・聖アンガー学園。
そこへアイドルの沢々尻モニカ(保坂エマ)が拉致されてしまった。
自業自得から鋼鉄の体を手に入れた兜剛鉄(三宅弘城)は、モニカを救出するため学園へと単身乗り込んでいく。
彼を助けるのは、先に学園に潜入していた浅見山サツキ(坂井真紀)。
彼らの前に立ち向かうのは、学園の理事長でもあり生徒会長を務める天王寺天牙(古田新太)だった。
剛鉄とサツキは、ひと癖もふた癖もある教師・生徒が集う学園からモニカを救出し、学園の悪事を暴くため動き出す。


あらすじを書くと、学園ヒーローもののようだけれど、実際はパロディやオマージュ満載、下ネタ上等の「ネタもの」芝居。
懐かしの学園ドラマ、懐かしのヒーローもの、ジブリ、東方神起風からAKB48風までと、よくもまあ、ああも脈絡のないものをつなげて笑いをとり、ストーリーを組み立てられるもの。
脚本を書いたいのうえひでのりの頭の中に、まずは敬意を表したい。
どうしたら、あんなバカバカしくておもしろいものが書けるのだろう。

橋本じゅんに代わって急きょ主演を務めたのは、新感線では『ドラゴンロック2~轟天大逆転』『髑髏城の七人(アオドクロ)』に続き3作目の出演となる三宅弘城。
橋本じゅんが主演だからとったチケットなので、どうしても比較してしまうのはご容赦願うとして、とにかく彼は「いい人」そう。
(実際、稽古期間5日ほどしかないのに主演交代を引き受けたのだから「いい人」なのは間違いないと思う)
そして、橋本じゅんに比べてテンションの振り幅が少なめなので、変態度が低い。
同じように、池田成志の代役を務めた河野まさとも、アクの強さや怪しさなどやっぱり変態度が落ちるので、全体的にパンチに欠けるというのが正直な印象。
別に変態が特別好きというわけじゃないけれど、ネタものには欠かせない、それが変態(苦笑)。

とはいえ、短期間でよくあそこまで仕上げたと思う。
新感線関係者は、これから三宅弘城には足を向けて寝られないはず。

新感線としての満足度100パーセントとはいかなかったけれど、たくさん笑えた3時間。
そのなかでも、いちばん(?)よかったのは古田新太がやせたこと!(笑)
前回の『薔薇とサムライ』で、殺陣にキレがなくなってきているのが気になっていたので…。
贅肉が多少なりとも減ったことで、踊りにキレが!!
ぜひこれを維持していただきたい。
もちろん、やせすぎない程度に。

多くの劇団員が40代を占めるなかで、新感線らしさを続けていくのは至難の業なのかもしれない。
でも、幕が開いた以上は、めいっぱいバカをやりまた楽しませてほしい。
そして、次は全員で完走を。
橋本じゅん&池田成志の一日も早い回復にも願いを込めて…。

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理恵

行かれたんですね〜
そっか、じゅんさん目当てだと物足りないかもなぁ。
わたし、基本まこりんだから(きっぱり)
そうそう、古田さん痩せたでしょ?
しかし、もう池田成志&古田新太の客演のチケット先行発売…大丈夫なのかなぁ?
by 理恵 (2010-12-09 00:39) 

mikanpanda

*理恵さん*

『轟天』のような暑苦しいじゅんさんを期待していたので、そういう意味では今回は肩すかしでした~。
三宅さんは三宅さんの魅力があったけれどね。
やっぱり新感線の30周年公演だと考えるとちょっと物足りなかったかなぁ。
古ちんやせてました。
やればできるじゃんと思いました(笑)。
成志さんは順調にリハビリが進んでいるようですけどね。
間に合うのかな?
じゅんさんも次が決まっているので、それも心配。(>_<)

nice!もありがとうございました。(^^)/

by mikanpanda (2010-12-11 23:12) 

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