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『印獣~ああ言えば女優、こう言えば大女優』(シアター・ドラマシティ) [演劇・ミュージカル]

生瀬勝久・池田成志・古田新太、同年代の俳優3人が、自分たちのやりたい芝居を自分たちの企画で上演したいという思いで始まった”ねずみの三銃士”
その第1回公演『鈍獣』から、5年の時を経て3人が再び集結!
前回同様、スタッフには宮藤官九郎(クドカン)の書き下ろし脚本、川原雅彦の演出と濃さは満点。
さらに、主演に迎えられたのはベテラン女優・三田佳子。
新感線の舞台に三田佳子というのならばまだしも、ねずみの三銃士チームに三田佳子…。
三田佳子をいったいどう料理しようというのか?

injyu.jpg「印税生活をしてみませんか?」と編集者の児島(岡田義徳)に誘われた、ケータイ小説家の飛竜(生瀬勝久)・絵本作家の上原(池田成志)・風俗ルポライターの浜名(古田新太)の物書きを生業とする3人の男たち。
彼らが連れてこられたのは山奥の別荘。
その持ち主は、自ら「大女優」を名乗る長津田麗子だった。

麗子は3人に「芸能生活45周年を記念して出版したい」と自叙伝の執筆を依頼する。
気がつけば屋敷に監禁状態となっていた3人は、高額の印税に魅せられたのも手伝って渋々執筆を承諾。
マネジャー(上地春奈)が用意した資料をもとに、聞いたことのない女優の自叙伝をでっち上げていく。
やがて自叙伝が出来上がるにつれ、3人の物書きと麗子の接点が徐々に明らかになり…。


物語のベースはホラー風味のミステリー。
スティーブン・キングの『ミザリー』を思い起こさせる。
そこにクドカン脚本らしく笑いどころをちりばめ、徐々にダークな世界へ。

ねずみの三銃士の面々や岡田義徳がどんな出で立ちで表れようと、そうそう驚くことはないけれど、これが三田佳子となると話は別。
黄色い帽子にランドセルを背負った小学生、セーラー服姿の女子高生、さらにはあんなギャグやこんなギャグも…。
まさに七変化で、次々と衣装を替えて登場。
それらすべてを一点の迷いも感じさせずに、まるで帝劇の舞台に立っているかのように、堂々と演じきった三田佳子の女優魂が、ある意味、いちばん怖かったかも(苦笑)。

バカバカしさを交えつつ、スリリングに進む物語。
三田佳子に目を奪われつつ、岡田義徳の奮闘も見逃せなかった(じつは好きな役者さんのひとり)。
もちろん、三田佳子のすごさも、それを受け止めるねずみの三銃士の存在があってこそ。

正気が狂気に変わる瞬間、私にもきっとどこかにそのスイッチがあるんだろうなぁ…。

タグ:演劇
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pica

生瀬を観たんですね。いいなぁ♪
三田佳子がこの三人に絡むってちょっと想像つかないですね。

「ミザリー」は観ていないけど、キャシー・ベイツ(でしたよね?)の
怖さだけは宣伝だけで印象に残ってます…。
by pica (2009-11-25 19:21) 

mikanpanda

三田佳子と、生瀬・池田・古田が絡むって想像できないですよねー。
さらに三田佳子がクドカン脚本に染まって出てくるんですよ。
驚愕です。
それもあってか、3人は多少控えめな感じでした。

そうそう、キャシー・ベイツです。
私も見たと言っても映画館ではなく家でですけど。
この作品でベイツはアカデミーの主演女優賞をとっているはず。

nice!もありがとうございました。(^^)/
by mikanpanda (2009-11-28 23:28) 

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