SSブログ

『犯さん哉』(シアター・ドラマシティ) [演劇・ミュージカル]

初めて劇団☆新感線を見たのは『花の紅天女』という作品だった。
これはアニメやドラマ、そして舞台化もされた美内すずえのコミック『ガラスの仮面』のパロディ。
この舞台で主演を務めていた高田聖子を好きになり、新感線は要チェック劇団になった。
そして次に見た『直撃! ドラゴンロック~轟天』ですっかりはまり、さらにその次の『髑髏城の七人』(再演)で主演だった古田新太を堪能。
ここから古田新太は、私の中の好きな俳優リストに名前を連ねるようになる。
その当時の彼は今よりは細かったとはいえ、それでも「白ムチ」(色が白くてムチムチしているの意)と呼ばれていたし、顔はどう見てもイケメンじゃない。
それなのに、舞台上の彼はなぜか物語が進めば進むほどかっこよく見えてくる。
しかも色っぽい。
ここ数年、新感線を見始めた友達に「古田新太を見ていると目がハートになってくる」と言うと、「かっこいいとは思うけれど、目はハートにはならない」と賛同を得られない。
そりゃあ、私だって『木更津キャッツアイ』のオジーの古田じゃ、目はハートにならないよ。
でも、玉ころがしの捨之介(『髑髏城の七人』での役名)は本当にいい男だったんだって。

そんな私の好きな俳優の古田新太が、劇作家で演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)と組んだ舞台が『犯さん哉』。
しかも座長。
でも組んだが相手KERAならば、これまでの彼の作風から考えるとかっこいい古田は望めそうもない。
私はかっこいい古田新太が好きなんだよぉ~。
悩んだ揚げ句、「座長」という言葉に惹かれてけっきょく見に行くことにした。

アラタ(古田新太)は、超がつく貧乏な暮らしを母(犬山イヌコ)とふたりで送る14歳。
学校ではイリエ君(入江雅人)たちにいじめられているけれど、あこがれのナカゴシさん(中越典子)に日記をほめられたのをきっかけに作家をめざしていた。
そんなある日、学校で事件が起き…。

第1部は14歳のアラタを中心としたお話で「青春挫折編」、第2部のアラタは34歳で「立身出世編」、第3部は「完結編」の予告で、第4部はなし(笑)。
第5部にはアラタは54歳になっていて、これが「新生物誕生編」と、いちおう内容はアラタの一代記のかたちをとって進行。
この3.5部の構成を一気に2時間ちょっとで駆け抜ける。
その間、座長の古田新太は、大半が白いブリーフ一枚の姿(苦笑)。

会話がかみ合っているようでかみ合っていないし、かみ合っていないようでかみ合っている、そんな物語がテンポよく進む。
神様役として登場した大倉孝二の「理屈じゃないんだよ、理屈じゃ」という台詞がキーワードなのだろう。
それでも、ギリシャ悲劇のパロディになっている部分があったり、不治の病さえ出てくれば泣けるのかとチクリとしたり、KERAらしく、ナンセンスななかにもいろいろ考えているのが感じられる作品に仕上がっていた。
力のある「小劇場」の劇団の舞台のようで、なんだか懐かしい気分に。
もっとも出演者のほとんどが「小劇場」の出身なので、そう感じるのは当然といえば当然なわけだけれど。
ただ、平均年齢が高いだけで(笑)。

出演者はインパクトのある人ばかり。
そのなかでも、とくに犬山イヌコ(『ポケモン』のニャースで有名? 『ポチタマ』のナレーションもこの方)が印象に残っている。
小柄だし、けっして目立つ風貌じゃないのに吸引力抜群!
若手の姜暢雄と中越典子も体を張って頑張っていた。
そして、予想どおり私の好きな色気のある古田新太は見られず。
でも、とても楽しそうに座長を務めていたし、たくさん笑えたので見に行って正解だった。
万人に進められる舞台ではないけれど…。


タグ:演劇
nice!(5)  コメント(9) 
共通テーマ:演劇

nice! 5

コメント 9

あぁ

古田新太さん、そうなんですよね
時々唇が色っぽいなと思うんです。
斜めの顔の角度とか。
女の人がほっとけなくなる色気ですよね。
by あぁ (2007-11-04 01:06) 

いろんな役柄こなして魅力を増築するんですね。
どんな人なんだろう・・・?
by (2007-11-04 09:52) 

理恵

お疲れさまです〜♪
ほとんどパンツ一丁の舞台も珍しいけどね(苦笑)

古田さんの舞台は、わたしはもうちょっと前から見てますが殺陣がある舞台はカッコイイですよね。
殺陣が安心して見れてカッコイイのは、古田さんと、堤真一、市川染五郎かなー。(全員新感線舞台かな?)
(普段カッコイイ役者さんでもなかなか殺陣は出来ないようで。)

あっ、なんとかIZOのチケットゲットしました。
わたし、森田くんは初見なんだけど彼はどうなのかなぁ?
by 理恵 (2007-11-05 11:20) 

mikanpanda

*あぁさん*
唇が色っぽいのはそうかもしれませんね~。(*^-^*)
で、舞台だと、そのいえに目張りが入るので、だいぶ見られます(笑)。
10年前はもうちょっと細かったんですけどねぇ。(^^;

nice!もありがとうございました。(^^)/

*とわさん*
古田新太氏は、見た目で言うと、色が白くて太めで不細工なおじさんです。(^▽^;;

nice!もありがとうございました。(^^)/

*理恵さん*
前から3列目でパンツ姿を堪能させていただきましたよ。(T_T)
姜くんのガーターベルト姿は妙に色っぽかったですね。

新感線を見始めて10年ちょっとたつので、さすがに殺陣にはうるさくなりました(笑)。
理恵さんおすすめの古田・堤・染五郎以外だと、私は唐沢寿明・江原剛志・山本耕司あたりを挙げておきます。

「IZO」は友達に頼まれた分だけ押さえました。(^^;
古田も聖子さんも出ないし。
田辺誠一さんは好きなんだけどなぁ。
チケットを頼んできた友達は森田くんが出た「荒神」も見ているのだけれど、内容が森田剛に当て書きしてある感じだったし、ジャニーズなのでそれなりには動けるから悪くはなかったと言っていました。
とはいえ、ドラマでの彼を見たかぎりでは、これまで新感線のメインを張ってきた外部の人(堤・染五郎・上川・内野)たちに比べると舞台キャリアは浅いし、多少落ちるのはしかたないかなぁと…。

nice!もありがとうございました。(^^)/
by mikanpanda (2007-11-05 12:41) 

ねこかど

犬山イヌコさんって、時効警察でご飯屋さんの女将さんをやっていた方ですよね!?すっごく好きです、あのなつかしいような突拍子もないような雰囲気。
mikanpandaさんが紹介してくれるあらすじを読んだだけで楽しそう。私も古田新太さんがカッコいい役だとキュンとしちゃいます(どんなだ!)
by ねこかど (2007-11-05 15:13) 

mikanpanda

*ねこかどさん*
そうです、そうです。
イヌコさん、『時効警察』と『帰ってきた~』と両方、定食屋さんでのご出演でした。
インパクトのある容貌じゃないのに、なんだか印象に残る女優さんですよね。
イヌコさんが出演している回は、脚本と演出はKERAさんの担当でした。

今回の舞台は、あまりあらすじを書いても意味がないような気がしたのだけれど、このblogは私の覚え書きでもあるので、いちおう書きました(笑)。
ねこかどさんも古田新太でキュンとできますか?
デブ専?(^_☆\ばきっ

nice!もありがとうございました。(^^)/
by mikanpanda (2007-11-06 12:54) 

mikanpanda

*miyamomoさん*
nice!をありがとうございました。(^^)/
by mikanpanda (2007-11-10 18:51) 

miyamomo_2

KERAも大人計画とかも、劇場が変わってもどこかやっぱり「小劇場」してますよねー。
ナイロン風?に料理された古田新太、観てみたいなぁ…と思ったら、東京公演はもう終わっちゃったんですね。残念。
by miyamomo_2 (2007-11-11 21:40) 

mikanpanda

*miyamomoさん*
この舞台の東京公演の会場はPARCO劇場だったのですが、KERAさんが「PARCO劇場史上最もくだらない舞台」と公言するだけのことはありました。
本多劇場かと思いましたよ(笑)。
そして、出演者全員が同じ事務所所属なのもあって、みなとても楽しそうでした。(^^;
by mikanpanda (2007-11-13 11:28) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。